なぜAIは自信満々に「嘘」をつくのか?知っておきたい「ハルシネーション」の正体

最近、ChatGPTなどのAIを使っていると、あたかも事実かのように「もっともらしい嘘」をつかれた経験はありませんか?

「昨日のニュースについて教えて」と聞いたら架空の出来事を話したり、存在しない本を紹介されたり……。この現象は専門用語で「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれています。

「AIは頭が良いはずなのに、なぜそんな単純なミスをするの?」
「だまされないためにはどうすればいい?」

今回は、中高生から大人まで、AI初心者の方がこれだけは押さえておきたい「AIが嘘をつく仕組み」を、5分で読める内容でわかりやすく解説します。


AIは「意味」を理解していない?

驚くかもしれませんが、現在のAIは、人間のように経験や意識を通して「意味」や「真実」を理解しているわけではありません。

AIの正体は、膨大なデータから学習した「超高性能な連想ゲーム・マシン」です。

例えば、「昔々、あるところに……」という言葉の次には、高い確率で「おじいさんとおばあさんが」という言葉を連想すると思います。
AIはこれと同じことを、もっと複雑なレベルで行っています。

AIの思考プロセス:
「この質問(キーワード)が来たなら、統計的に次はこの単語を並べると、人間っぽい自然な文章になるぞ!」

つまり、AIは「正しいかどうか」ではなく、「それっぽい(確率が高い)かどうか」で言葉を選んでいるのです。


なぜ「嘘」が生まれてしまうのか

AIが嘘をついてしまう主な理由は3つあります。

知識ではなく「計算」で文章を作っている

AIは記憶を取り出しているのではなく、その場で文章を組み立てています。
そのため、手元に正確なデータがないときでも、学習したパターンの組み合わせで「存在しない事実」を合成してしまうのです。

「わかりません」と言うのが苦手

以前のAIは「とにかく答えよう」とする傾向が強く、無理に回答を作ってしまうことがありました。
最近は改善されていますが、それでも「何か答えなきゃ!」というプログラムの癖が、嘘を招く原因になります。

学習データに間違いが混ざっている

AIが学習しているインターネット上の情報には、もともと誤報やフィクション、個人の妄想も含まれています。
AIにとっては「教科書の内容」も「ネットの噂話」も同じデータの一部です。
これらが混ざり合って出力されることがあります。


AIと賢く付き合うための「3つの心得」

AIの嘘に振り回されないためには、以下のポイントを意識しましょう。

  1. 「事実確認(ファクトチェック)」をセットにする
    重要な情報を得たときは、必ずGoogle検索などで一次ソース(公的機関や公式発表)を確認しましょう。
  2. 専門的な相談は専門家へ
    法律、医療、金融など、間違いが許されない分野では、AIの言葉を鵜呑みにせず必ず専門家に相談してください。
  3. 「下書き作成ツール」として使う
    AIは「正解を出す」ことよりも、「文章の構成を考える」「アイデアを広げる」といった創造的な作業が得意です。
    得意な分野で活用しましょう。

FAQ:よくある質問

Q
AIが嘘をつかなくなる日は来ますか?
A

技術の進歩(検索機能との連動など)により、間違いは減っています。
しかし、仕組み上「100%嘘をつかない」と言い切ることは難しいため、常に人間による確認が必要です。


Q
嘘をつきやすい質問はありますか?
A

「特定の個人について」「非常に最近のニュース」「マイナーな地域の歴史」などは、学習データが少ないため、ハルシネーションが起きやすい傾向にあります。


Q
嘘をつかれたら、AIを叱ったほうがいいですか?
A

感情的に叱る必要はありませんが、
「その情報は間違っています。正しいソースはこれです」
と指摘することで、その会話の中での精度が上がることはあります。


まとめ

AIがつく嘘(ハルシネーション)は、AIがサボっているわけではなく、「一生懸命に自然な文章を作ろうとした結果」生まれるものです。

「AIは何でも知っている神様」ではなく、「時々知ったかぶりをする、物知りなアシスタント」として接するのが、今の時代のスマートなAI活用術です。