「AIに画像を作ってもらったけど、看板の文字が変な漢字みたいになっている……」
「日本語を入力したのに、見たこともない記号が並んでしまった」
そんな経験はありませんか?
近年のAI技術の進化は目覚ましく、写真のような美女や幻想的な風景を瞬時に生み出せるようになりました。
しかし、こと「日本語の文字」に関しては、いまだに苦手分野とされています。
なぜ最新のAIでも、私たちの使い慣れた日本語を正しく描くことができないのでしょうか。
その裏側にある仕組みと、理想の画像を手に入れるためのコツを紐解いていきましょう。
AIにとって文字は「意味」ではなく「模様」
一番大きな理由は、AIが文字を私たち人間のように「言葉」として認識していない点にあります。
人間は「あ」という文字を見れば、それが特定の音を持ち、言葉を構成するパーツであることを理解します。
しかし、画像生成AIにとっての文字は、線や点が集まった単なる「模様(パターン)」に過ぎません。

特に日本語は、アルファベットに比べて圧倒的に複雑です。
- アルファベット:
わずか26種類(大文字小文字合わせても52種類) - 日本語:
ひらがな、カタカナに加え、常用漢字だけでも約2,000字
AIからすると、似たような複雑な線が入り組んだ「漢字」という模様を、一言一句違わずに再現するのは至難の業なのです。
その結果、「なんとなくそれっぽいけれど、よく見ると存在しない文字」=文字化けのような状態が生まれます。
学習データの多くが「英語」で構成されている
現在、世界中で利用されている主要な画像生成AI(DALL-E 3やGeminiの画像生成機能など)の多くは、英語圏の膨大なデータを基に学習しています。
AIは「画像」と「その内容を説明するテキスト」をセットで学習しますが、そのデータの大部分が英語です。
そのため、AIは「A」「B」「C」といったアルファベットの形状については非常に高い精度で学習していますが、日本語については学習量が圧倒的に不足しています。
たとえ私たちが日本語で指示(プロンプト)を出しても、内部的には英語に翻訳されて処理されることが多いため、最終的なアウトプットで日本語を再現する力が弱くなってしまうのです。
以前、当ブログではGoogleの最新モデル「ナノバナナ」についても触れましたが、こうした最新モデルであっても、日本語の描画にはまだ課題が残っています。
画像生成AIのモデル名や仕組みについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
システム内に「日本語フォント」がない場合も
ChatGPTなどのチャットツールを使って「グラフ」や「図解」を生成してもらう際、文字が「□(通称:トーフ)」になってしまうことがあります。
これは文字を描き間違えているのではなく、画像を作成する側のコンピューターに「日本語を表示するためのデータ(フォント)」が用意されていないために起こる現象です。
海外のサーバーで動いているAIシステムにとって、日本語フォントを標準搭載することは、私たちが思うほど当たり前のことではないのです。
綺麗な日本語入りの画像を作る「3つの解決策」
「どうしても画像の中に文字を入れたい!」という場合、現状では以下の3つの方法が有効です。
アルファベットで代用する
「カフェの看板」を描きたい場合、日本語で「カフェ」と指定するよりも、英語で「CAFE」と指定する方が圧倒的に成功率が高まります。
AIはアルファベットの再現には慣れているため、これだけで文字化けのリスクを大幅に減らせます。
文字は後から「編集ソフト」で入れる
プロのクリエイターもよく使う手法です。
AIにはあえて文字を入れさせず(プロンプトに “no text” と入れるのがコツです)、完成した画像に対してCanvaやPowerPoint、スマートフォンの編集アプリなどで後から日本語を合成します。
これが最も確実で、デザインも綺麗に仕上がります。
文字を生成できる特定のAIモデルを選ぶ
最近では、DALL-E 3や一部の最新モデルで、短い英単語なら完璧に描けるようになってきました。
日本語に対応した画像生成サービスも徐々に増えてきているため、用途に合わせてツールを使い分けるのが賢い方法です。
FAQ:よくある質問
- Q将来的に、AIは完璧な日本語を描けるようになりますか?
- A
はい、その可能性は非常に高いです。
日本語に特化した学習データを持つ国産AIの開発が進んでおり、将来的には看板の文字やポスターのキャッチコピーまで、正確な日本語で生成できるようになると予想されます
- Qぐにゃぐにゃの文字を直すプロンプトはありますか?
- A
残念ながら、100%確実に直す魔法の言葉はありません。
ただし、「Simple font(シンプルなフォント)」「Clear text(はっきりした文字)」といった言葉を添えることで、少しだけ読みやすくなる場合があります。
まとめ:AIの「苦手」を知って、賢く使いこなそう
AIが日本語を文字化けさせてしまうのは、決して故障ではありません。
- 文字を「意味」ではなく「模様」として捉えているから
- 英語中心の学習データで育っているから
- 日本語フォントがシステムに含まれていない場合があるから
こうした理由があることを知っておけば、「なんでできないの!」というイライラも解消されるはずです。AIの得意な「絵」の部分はAIに任せ、苦手な「日本語の配置」は人間がサポートする。そんな「協力プレイ」こそが、現時点でのAI活用の最適解と言えるでしょう。
「AIの日本語が苦手な理由」については、会話(テキスト)の面でも共通する部分があります。興味がある方は、こちらの記事もぜひ読んでみてください。

